局部義歯とはなんでしょう?
いわゆる部分入れ歯のことです。
私が学生の時も4年生の前期(歯学部は6年制)に行われていた実習に行ってきました。
私の半分の歳の学生たちが一生懸命入れ歯を作っていました。
我々が学生の頃より、より臨床に近いかたちで一連の実習が行われているのを見ると、良い歯医者が育ってくれることを期待したくなります。
とはいっても、みんな初めてやることばかりなので、器用な学生と不器用な学生はだいぶできあがるものが違います。思わず「うまいねえ!」といいたく なる子もいれば、「ちょっと待った!」とストップをかけざるを得ないケースもあります。最近は、マネキンを利用して入れ歯の型をとり、かみ合わせをとり、 カルテを書きながら実習を行っています。
患者さんを目の前にしたときに、なるべく役に立つような実践的なポイントを伝授しながら指導を行っているつもりです。少しでも、学生たちの役に立てば幸いですね。
次の担当はしばらく間が空いて9月になります。
そのころにはきっと入れ歯が完成間近になっていることでしょう。
それまで、学生の皆さんがんばって下さい。
さて、この写真は実習で使っている模型ではないのですが入れ歯の構造が似ているので解説します。
これは下顎です。真ん中の金属はリンガルバーといって、舌の付け根のところを走り、左右の奥歯の入れ歯をつないでいます。これを曲げて作るのが大変 で学生泣かせです。学生時代の最大の苦しかったことはリンガルバーを曲げることだという人もいるぐらい。みんな頑張って曲げて、たたいてましたね。
私もお手伝いをして、久しぶりに曲げましたよ!
左右の歯にくっついているバネのようなものがクラスプといいます。これで、入れ歯を動かないように固定するのです。
肌色の部分にろうをのせてかみ合わせをとり、その高さに合わせて人工の歯をならべて、ろうの部分をレジンという材料に置き換えて入れ歯の完成!となるわけです。
というと簡単に聞こえるかもしれませんが、学生実習では、4月から9月までかかって一つの入れ歯を作るのです。もう一息です、頑張りましょう。