マタニティ歯科ってなに?お母さんは歯が命!お腹のなかの赤ちゃんからむし歯予防をはじめましょう

感染の窓

マタニティイメージ

生まれたばかりの赤ちゃんは歯が生えていません。歯のない時期に、むし歯の原因菌「ミュータンス菌」はお口の中に存在しません。生後6ヶ月ぐらいから下の前歯が顔を出しますが、そうすると今まで無かった “ミュータンス菌” がお口の中に現れます。
 
さて、“ミュータンス菌” はどこから来るのでしょうか?
 
多くの場合、家族の皆さんが赤ちゃんと同じスプーンなどを共有し食べ物を与えることによって、唾液を通じて伝わっていくのです。この感染の程度は、主に育児をしているお母さんのお口の中の環境によって大きく左右されます。つまり、お口の中が清潔でむし歯のないお母さんからはミュータンス菌に感染することが少なく、お口の中の衛生状態が悪くミュータンス菌が多いお母さんほど感染し易くなります。
 
特に感染しやすい時期は1歳7ヶ月~2歳7か月の1年間で、
 
この期間は「感染の窓」と呼ばれています。むし歯だけではなく、歯周病は低体重児出産や早産の危険性が高まりますので、妊婦さんのお口の中を清潔に保つことはとても重要なのです。

キシリトール

キシリトールガム

キシリトールという言葉をお聞きになったことがあるでしょう。ガムに良く使用されている天然の甘味料です。その他、ソルビトール、マルチトールなどといった「糖アルコール」に所属する甘味料があります。いずれもショ糖と比べると、むし歯になりにくい糖ですが、ミュータンス菌に及ぼす効果には若干の違いがあります。
 
キシリトールだけは積極的にミュータンス菌を減少させる効果
 
があるのです。そこで、このキシリトールを妊娠期から使用することによって可能な、むし歯予防法をお教えしましょう。

お腹の赤ちゃんにできるむし歯予防とは?

キシリトールガム

妊娠中には、つわりがひどかったり間食の回数が増えたりして、普段より歯みがきが難しくなることがあります。
 
でも、ガムを噛むことなら辛くないのではないでしょうか?
 
妊娠6ヶ月から出産後9ヶ月の計13ヶ月間にわたって、1日4個以上のキシリトールガム(キシリトール100%)を噛んだお母さんの赤ちゃんたちは、そうでない赤ちゃんたちに比べて1歳の時点でミュータンス菌の数が1/5以下であったという、キシリトールによる明らかなむし歯予防効果が報告されています。また、キシリトールガムを13ヶ月で中断しても、その後15ヶ月は効果が持続することが証明されています。したがって、中断せずにその後もキシリトールガムを摂取し続ければ、さらに効果が増すことは容易に想像できます。つまり、
 
赤ちゃんが生まれる前にキシリトールによって
 
お母さんのミュータンス菌を減らせれば、赤ちゃんが生まれたあとの感染経路となるスプーンの共有やスキンシップなどの行動を変える心配もなくなるというわけです。愛情いっぱいに赤ちゃんを育てるためにも、少し視点を切り替えてみませんか。

マタニティ歯科の治療方針

1.お口の中を診査して、むし歯、歯周病の状態を調べます。
2.むし歯のばい菌がどのくらいいるか簡易検査(RDテスト)を行います。
3.むし歯の経験歯が少なく、RDテストで問題がなければ良好と思われます。
4.むし歯の経験歯が多く、RDテストで反応が見られた場合は、カリエスリスクが高いと考えられます。
5.ご希望によって、カリエスリスクの詳しい検査を行います。(保険外)
6.結果をご説明し、状況に合わせた保健指導を行います。
詳しくは担当歯科医師あるいは歯科衛生士にご相談ください。